モルフォ蝶が届きました。
No mount ってやつ。
つまり展翅せずに三角紙に入ったままのものです。
個人的には子供の頃、昆虫標本キットや三角紙、三角紙入れなどに憧れていたので、この状態のものもなんだか好きなのです。
ここから頑張って展翅して、額装するのもまた一興。
展翅についてはブログに記載しました。 >>蝶標本の展翅のこと
まずはこれ。
モルフォ蝶にはいくつかの亜属があります。
これは、メネラウスモルフォ亜属のものです。
メネラウスモルフォ亜属の中にもさらに、メネラウスモルフォ、ゴダートモルフォ、ディディウスモルフォなどに分類されています。
学者によって「ゴダルディ」という分類もあります。ゴデルディにはゴダートとディディウスが属しています。
さらに、メネラウスモルフォ亜属のメネラウスモルフォです!といっても、さらに詳細な名前が付けられている場合もある・・・・・
実際に(メネラウスモルフォ亜属の)メネラウスモルフォ、ディディウスモルフォというだけでは全く違ったものもあるので、素人にはなかなか難しいです。
これはとりあえず「Didius」と記載があります。
ディディウスには「Morpho godartii didius」と「Morpho godartii tingomariensis」ではかなり模様が異なりますが、これは「Morpho godartii tingomariensis」のほう。
拡げて見せたいところなのですが、軟化しないと広げられないので、左右の翅のずれからかすかに見える色でご判断ください。
もう一つ届いたものは「Adnis」と記載があるもの。
アドニスは現在はマルクスモルフォと呼ばれています。
スルコウスキーモルフォ亜属に属し、他にはエガモルフォなどもこの亜属です。
スルコウスキーモルフォ亜属のスルコウスキーモルフォは実は、一番好きなモルフォ蝶。
一般的なモルフォ蝶のイメージとは少し違っています。
三角紙に包んだまま透明なケースに入れて、お届けします。
モルフォ蝶が届きました。
モルフォ蝶は腹部分の保存が難しいので、標本にする際には除去します。
今回届いたものも腹部分は除去されています。
三角紙に入ったままの到着です。
きらら舎にて三角紙を交換しました。
触覚がちゃんと残っている分は A.D.NÉEL店のほうで販売します。
残りはカフェときらら舎にて販売します。
展翅する場合は予め、標本が濡れないように湿度を含ませてください。
100均の肉まんを1つだけ蒸せるような容器が便利です。
『標本BOOK』で甲虫では説明していますが、「軟化」といいます。
タッパーに除菌とか消毒とか書いてあるウェットティッシュを敷きます。
蒸し器タッパであれば、その上にすのこを置きます。
普通のタッパの場合は、パラフィン紙を置きます。
クッキングシートなどでもOKです。
要するに直に水分に触れないけれど、容器内に水分がいきわたるようにしたいわけです。
ふたを閉めて、日光が当たらない涼しいところに置いておきます。
小さい蝶の場合は1〜2時間で軟化してしまう場合もありますが、モルフォ蝶は大型で特に、今回の標本はきっちり乾燥されているので時間がかかるかと思います。
慣れている方は注射器でお湯を胸部に注射する方法もあります。
また、胸部の筋肉を針で刺して壊しておくと、展翅しやすくなります。
軟化した蝶は展翅板と針で翅を広げて形を整えていきます。
動画などでもみつかると思うので、きれいな標本に仕上げたい方はお試しください。
とりあえず、きらら舎は(あまり虫には触りたくないので)三角紙入りのままで販売します。