天氣後報 II

カギノテクラゲ

2017.06.20 Tuesday 14:29
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    現在、自宅の仕事スペースにあるタイドプールならぬ硝子壜や小さな水槽で飼育しているクラゲは基本的にポリプからの飼育でした。

     

    できれば採集にでかけ、その生物が棲んでいる環境を観察し、まずはその海水とクラゲ成体から採取したプラヌラを持ち帰って飼育するのがベストなのだと思うのですが、なかなか長く家を空けることができません。

     

    そこで採集は,

    それを仕事にしている人にお願いしています。

     

    今回は餌となるエビなどを採集している人に、わけあって、カイメンを委託したついでに「ガサ」的なことをお願いしました。

    ガサというのはタモ網で浅瀬をガサガサして、棲息する生き物を採集すること。

     

    今回はモクと呼ばれる海藻とそれにくっついてたクラゲがやってきました。

     

    カギノテクラゲ
    Gonionemus vertens

     

    刺胞毒が強く、特に神経毒が強いので採集するもの大変だったと思われます。

     

    触手の先が鉤状になっていて海藻に捕まることができるほか、そこに付着細胞もあるので岩や水槽にもくっつけるみたいです。

     

    カギノテクラゲ/きらら舎

    カギノテクラゲ/きらら舎

     

    クラゲ師匠が、海藻が痛んで水質悪化させるから、水槽から出してつかまるものを入れるといい、というので、人工の水草を間引いてつかまり易くして入れてみました。

    でも、まったくつかまる気配はないので、数日は海藻も入れておこうと、現在、こんな感じ。

     

    カギノテクラゲ/きらら舎

     

    カギノテクラゲはブラインシュリンプを吹きかけると、蜘蛛の死に際みたいに(って、見たことないとわからないかもしれないんですが)異常に小さく縮こまるのです。

    このエビたちを逃すまい!!!!という感じ。

    まるめた糸くずみたいになります(今度撮影します)。

     

    そしてブラインシュリンプが無事、胃腔に収まるともとの状態に拡がります。

     

    上の写真で、クラゲの中心がエビ色をしているのは満腹な証拠。十字は生殖腺で、この色は雌です。
    雄は黄褐色で雌より薄い感じです。

     

     

    カギノテクラゲ/きらら舎

    みんな食べたみたいです。

     

    最近は海藻以外にも人工海藻や、水槽の壁にくっついているものも出てきました。

    食べ過ぎた個体は水槽の底に沈んでいることもあります。

     

    沈んでいるものも、エビを消化すると、元気に泳ぎ出します。

     

    基本的にクラゲ成体の寿命は短いので、このクラゲたちもあと数週間でいなくなってしまうでしょう。

    上手く、プラヌラが出て、ポリプとなると嬉しいのですが・・・

     

     

     

    海月など(第弐標本室) | comments(0) | - | - |

    セイカタイソギン実験

    2017.06.19 Monday 18:00
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      そろそろ海月(成体:メドゥーサ)やウミホタル、イソギンチャクなどの季節。

      なかなか採集にはでかけられないので、採集をお仕事にしている人に本業の合間に何か採れたら送ってもらいました。

       

      今回、カギノテクラゲと一緒に、イソギンチャクが届きました。

       

      水槽に入れてみると・・・ううむ

       



      これってカーリーって呼ばれている嫌われものなんじゃないの?

       

      念のためクラゲの師匠と、最近知り合ったマニアックなアクアリストくんに写真を見せてみるとやっぱりそれっぽい。

      クラゲ師匠は「短ければ(背が低ければ)、セイタカイソギンじゃなくってオヨギイソギンチャクだと思う」と返信してくださいましたが、泳がないし・・・・・

       

      でも、ちょっと長いからってセイタカイソギンチャク、泳ぐからってオヨギイソギンチャク・・・・・って命名が安易。

       

       

      カーリーって嫌われモノのイソギンチャクのことだと思ったら、本当は違う種類なんだそうです・・・ってことを、今回の同定でいろいろ調べてわかりました。

      なので、これからは本名で呼びます。

       

       

      セイタカイソギンを入れた水槽っていうのは、ライブロックの実験水槽。

      何が出るかな?・・・・っていう遊びです。

      でも、スペースに限りがあるため、ライブロックの他に、ウメボシイソギンチャクやウミウシ実験用のカイメンがいます。

      ここにセイタカイソギンを入れたのですが、セイタカイソギンは水槽の壁の上のほうにへばりついて悪さはしそうにありません。

      しかし、アクアリストくんのアドバイスで、他の壜に移すことにしました。

       

      が!!!

       

      はがそうとすると自ら崩れる感じでバラバラになってしまいます。

      うへええと思いながら、肉片はすべてスポイトで吸い取り、壜に移しました。

      もう、このスポイトはセイタカ専用です。

       

      壜の中は一応撮影しましたが、気色悪いのでアップはしないでおきます。

       

      セイタカイソギンが駆除剤まで販売されるほど嫌われる理由は、ソフトコーラルなどの美しい珊瑚水槽に発生するとその刺胞毒で珊瑚が弱って死んでしまうこと。

      さらに「癌細胞のようだ」とまで言われるほどに繁殖力が強いことです。

      千切れた肉片からも再生する!!!

      どこかの富江のようです!!!

       

      でも、これは実験しないテはありません。

       

      そういえば、夏休みの宿題のお手伝いのための「夏休み倶楽部」始めます。

      そのメニューの1つにしてみようかな(笑)

       

      実験経過はこのページに掲載していきます。

       

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      作業机周辺のタイドプール

      2017.06.19 Monday 12:49
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        机上仕事の部屋を兼ねた自宅にある仕事スペースは約3畳ほど。

        ここに机やパソコンや、プリンターや鉱物や本が押し込まれています。

        しかし、一番、スペースを占有しているのは小さな硝子壜や水槽など。

         

        冬にはさらに、これに小さな植物容器が加わります。

        ミズクラゲの水槽(これが一番大きい)は真夏になると、一旦、休憩になります。

         

         

        きらら舎

         

        水槽(といっても20cm角くらいの小さな容器。これがたくさんある)に入れているウメボシイソギンチャクは触手を伸ばして元気なのですが、硝子壜にいるやつは、本当にウメボシ状態。

        さきほど水飼えしたら、クローンを一つ吐き出しました。

        「生きてるんだぜ!!」と主張されたようだったので、硝子壜にいたやつは、みんな水槽に移動。

        お箸でつまむと、本当にウメボシみたいです。

         

        きらら舎

         

        今月初めに入荷した古道具の顕微鏡。

        ステージにあるのは孵化仕立てのブラインシュリンプ。孵化仕立ては本当に目も口も見えません。

         

        朝はエアレーションの中で卵だけが撹拌されていたのですが、1時間ほど後、孵化していました。

        本当に孵化仕立て。

         

        マミズクラゲ/きらら舎

        これは最初に来たやつ。

        わずか1mmに満たない白い糸みたいだったフラスチュールがポリプになったもの。

        本来は白いので、この色はブラインシュリンプの色と、光の加減。

        右から出てるのが新たなフラスチュール。

        上にあるのがその前に出たフラスチュールが2こくっ付いているもの。

         

        マミズクラゲ/きらら舎

        二番目に出たフラスチュールがコロニーになっています。

        上のは昨日出たフラスチュール。

         

        これが急成長した理由は、その場所。

        容器の比較的端っこに陣取ったのです。

        投入されたブラインシュリンプは容器の隅っこに集まりますので。

        ブラインシュリンプの密度が高くなるのです。

         

        マミズクラゲ/きらら舎

         

        給餌後は時々容器を回転させて、隅っこに集まっているブラインシュリンプを移動させます。

         

        そのほか、サカサクラゲポリプとクラゲ、タコクラゲポリプ、エイレネポリプ、エダアシクラゲのポリプとクラゲ、カギノテクラゲ、グリーンヒドラ、実験中のウミウシ・・・・・

        すべてが小さな潮溜まり(タイドプール)のようです。

         

         

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        サカサクラゲの配布

        2017.06.14 Wednesday 09:48
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          成体なので、配布時期が限られます。

           

          サカサクラゲ飼育セット ¥2000(¥0〜2000)

           

          店頭引渡しのみ 2日前の木曜日正午までにきらら舎よりご注文ください。 >>ご注文 ※1

          飼育容器と生体のみであれば前日でも間に合います。その場合は¥1200となります。 ※2

          こちらのご注文もきらら舎より、オプションにてご注文いただけます。  >>ご注文

           

           

          極小サイズ3個体は無料です。 >>ご注文  ※3

           

           

          エフィラ 5個体 

          飼育容器 各1つ 計2つ(1つは給餌容器となります)

          飼育水 500ml

          海水の素 500ml分

          ブラインシュリンプ容器入 翌日分

          ブラインシュリンプエッグ 1週間分

          ブラインシュリンプエッグ孵化容器

          大きなスポイト(クラゲやポリプの移動用)

          小さなスポイト(給餌用)

           

           

          ※1 1週間の間はそのまま飼育できます。1週間内にブラインシュリンプエッグをご用意ください。

             海水の素、塩分濃度計または比重計も合せてご用意されると安心です。

          ※2 一応そのまま飼育できる容器付きですが、ご来店前に飼育に必要なものをご用意ください。

           

          ※3 生体極小サイズをご希望の場合は飼育容器をご持参ください。

              極小なのはポリプ壜で生まれたものの救出が遅れたため、栄養不足によって縮んだもの。

              または、ポリプ自体が小さかった可能性もあります。

              孵化仕立てのブラインシュリンプしか食べることができません(それも無理な場合があります)。

              ワムシなどを培養されている場合は、併用してください。

           

           

           

           

          飼育温度 20〜27度(30度くらいでも短時間ならば大丈夫です)

          海水濃度 2.6〜2.8%(3%では濃いので注意してください。少しづつの変化は大丈夫です。)

          (量が少ないので比重ではなく濃度で記載しました。濃度は海水の素と水から計算するか塩分濃度計で計ってください。ただし比重ではないと下のほうが濃い場合があるので、必ず、作ってから一晩おいたものを再度振って、溶け残りカスが沈殿するのを待ってから使ってください。

          使う前に再度塩分濃度を確認してください。

          濃いめを1本、ミネラルウォーターを1本用意しておくと調整できます。

          残り1cmくらいは捨ててください)

           

           

          飼育方法

          当日、翌日は孵化したてのブラインシュリンプを付けていますのでそれをそのままスポイトで与えます。

           

          ブラインシュリンプ準備

          帰ったらすぐに

          (1)予備の海水をブラインシュリンプ孵化タッパに半分くらい入れる

          (2)ブラインシュリンプエッグをコーヒーのマドラーにすりきり1/4ほど入れて撹拌し、できるだけ温かいところに置く

          適温は28度ですが、夏季は比較的気温が低くても1日で孵化します。

           

          孵化したブラインシュリンプの下処理と与え方

          できればワムシやブラインシュリンプを濾すネットを。代用品としてはコーヒーペーパーやセレックVフィルター、ティーバッグ用の袋などが使えますが、これでブラインシュリンプを濾します。

          (代用品だとせっかくの孵化仕立ての小さなものがすり抜ける可能性があります)

           

          (1)光をあてて集まったところをスポイトで一網打にして吸い取り

          (2)フィルターで濾し

          (3)海水かミネラルウォーター(カルキ抜きした水)をかけて洗い

          (4)容器の上でフィルターを逆さまにして海水かミネラルウォーター(カルキ抜きした水)をかけて容器に落とす

          (5)これを少量、スポイトでとって与える

           

          換水

          サカサクラゲは粘液をたくさん出します。

          給餌後、4時間くらいは、スポイトで体についた粘液やブラインシュリンプを吹き飛ばし、吹き飛んだ食べ残しや粘液をスポイトで除去し、4時間後、もう1つの容器を洗ってきれいな海水を入れて、クラゲを移します。

          クラゲが大きくなってきてスポイトで吸えなくなってきたら、小さなおたまやれんげなどで移動してください。

           

          1円玉を超えてきたら水槽を用意します。

          最初にお渡しする容器の場合、5匹では2cmくらいまでは飼育できます。

          水槽は底面フィルタのものを用意します。サイズはそれほど必要ありません。

          ご連絡いただければこちらでサンゴ砂までご用意しますので、ご相談ください。

           

           

          サカサクラゲ/きらら舎

          サカサクラゲ/きらら舎サカ

          横っちょについている粒がプラヌロイド。

          これが泳ぎ、どこかに固着してポリプになります。

           

          サカサクラゲ/きらら舎サカサクラゲ

          さきっちょがクラゲになってきたポリプ。

           

          サカサクラゲ/きらら舎サカ

          サカサクラゲ/きらら舎サカ

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          マミズクラゲ

          2017.06.08 Thursday 13:47
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            現在飼育しているクラゲたちは、みな海水なのですが、淡水にも実はクラゲがいます。

            特にマミズクラゲ(学名:Craspedacusta sowerbyi)は日本の各地で目撃情報があります。

             

            小学生か中学生の頃、プールでマミズクラゲが発生したというニュースを観ました。場所までは記憶していないのですが、「プールにクラゲ」ということが、それまでクラゲは海にいると思っていた概念を覆して、へええええ!!っと思ったため覚えているのだと思います。

            すぐにマミズクラゲについて調べてみたのですが、ネットのない時代、図書館にある本にしか情報源がなく、溜池や湖に棲むということしかわかりませんでした。

             

            大人になってからミズクラゲやサカサクラゲを飼育し始めて、マミズクラゲも飼えるのかな?と思っていたところ、なんと、数週間前にヤフオクでマミズクラゲのフラスチュールが販売されているのを見つけました。

             

            1匹5400円也。

             

            クラゲ飼いの多くは自ら採集にでかけて捕まえてきて飼育しているのだと思います。

            もちろん成体(幼生に対してメドゥーサと呼ばれます)をペットショップで買ってくるということもあるかと思いますが。

             

            マミズクラゲのメドゥーサ発生は時々ニュースになりますが、発生してもすぐに消えてしまいます。

            寿命が極めて短いためです。

            クラゲが発生した池や湖の沈殿物を採集して維持してみることでポリプをゲットできることがありますが、かなり難易度は高いのです。

            ポリプは1mm程度なのです。

            運よくクラゲ発生に立ち会えて、採集するか、

            クラゲ発生の池の沈殿物と水を持ち帰り、水槽で維持して観察するか・・・・・・・

             

            遠出もなかなかできないので、1匹5400円は高いとクラゲ師匠に言われながらも、好奇心が勝って、買ってしまいました。

             

            1匹って言っても数匹入っていることが多い(死保証の手間を省くため??)のですが、今回は「まじ1匹」でした。

            さらに死保証はないようです。

             

            ところでフラスチュールって何だ?という話をしておきます。

            たとえばサカサクラゲのポリプはプラヌロイドというプラヌラみたいなものを放出します。

            マミズクラゲはプラヌロイドではなくってフラスチュール(frustule)というものを出すのです。

            フラスチュールは全長0.5mmほどの蠕虫状の幼生です。

             

            届いたものも0.5mmほどの糸みたいなものでした。

            容器に出してスマホカメラの倍率を最高にして隅から隅まで探し、「あ、これかな?」という感じ。

             

            とりあえずフラスチュールの間は給餌も水替えも不要とのことなのでそのままにしていました。

            1週間ほどでやや形が変わったように思えたので、早速孵化仕立てのブラインシュリンプを与えてみました。

             

             

            マミズクラゲ/きらら舎

             

            5/30

            スマホカメラ8.0倍で撮影。

            ポリプは両端に口があるように見えます。

            エビ色なのはブラインシュリンプの色。

            左下の口から食べたようで、まだ少しブラインシュリンプがはみ出ています。

             

             

            マミズクラゲ/きらら舎

            さっぱりわからない写真で失礼しました。

             

            6/2

            ブラインシュリンプを捕まえたところなのか出芽なのかわかりません。

             

            その後、サイン会と葬儀で給餌はしないままでしたが、久しぶりに給餌をしたところ

             

             

            マミズクラゲ/きらら舎マ

             

            なんだかこんなになってしまいました。

            ブラインシュリンプの状態があまりよくなかったこともあって心配だったのですが

             

            マミズクラゲ/きらら舎

            出芽でしょうか。

             

             

            マミズクラゲ/きらら舎マ

            そして今日、なんとフラスチュールが出ていました。

             

            ポリプが約1.0mm、フラスチュールは0.6mmくらい。

             

            フラスチュールは時速1.0mmで匍匐前進するそうなのですが、こいつはもう少し速いみたいです。

             

            マミズクラゲ/きらら舎

             

            2時間で3mmくらい移動していました(笑)

            (その後2時間でさらに3mm進みました!)

             

            容器内には、ブラインシュリンプの死骸かポリプなのかわからないものがありました。

             

            マミズクラゲ/きらら舎マ

            拡大してもこんな感じ。

            サイズは0.6mmくらい。

            ブラインシュリンプではなさそうです。

             

            マミズクラゲ/きらら舎マミ

            ブラインシュリンプを捕まえました!

            上のエビ色のものがブラインシュリンプ。

            ポリプよりもブラインシュリンプのほうが大きいことがわかります。

            これから時間をかけて呑みこんでいくと思われます。

             

            そういえば、先日、カフェで販売した顕微鏡。
            解剖顕微鏡のほうは立体顕微鏡やモニタ付き顕微鏡よりも観察しやすかったです。
            現在容器の水深があるので、使えませんが(接写できない。水中OKのマイクロスコープは水質悪化が懸念されるため使えない)、次の換水時に試してみます。
            顕微鏡は、あくまでも標本の撮影の添え物として仕入れて販売したものですが、実用もでき、ラッキーでした。
            ご購入されたお客さまはお試しください。

             

             

            2017.06.09

            本日、新たなフラスチュールを確認したので、捕まえて(スポイトで吸い取り)シャーレに移しました。

            解剖顕微鏡では細かい部分まで観察できるのですが、撮影が難しいので、水中OKのマイクロスコープを使いました。

             

            マミズクラゲ/きらら舎

            解剖顕微鏡で観た時には糸のようなものが付いていましたが、マイクロスコープだと粒みたいに見えます。

            ミズクラゲのフラスチュールはこれで鳥の脚などにくっ付いて別の場所へ移動するのだと言われています。

             

             

             

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