天氣後報 II

生物と酵素の発光観察実験

2016.08.14 Sunday 10:35
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    生物と酵素の発光観察実験。

    初回は2016年8月13日に行いました。

     

    (1)ウミホタルをマイクロスコープで観察してみる

    ウミホタルは大きいもので(メスのほうが大きい)約2〜3mm。

    肉眼でも確認できるくらいのサイズなので、顕微鏡では大きすぎるため携帯用のマイクロスコープで観察します。

    余談ですが、このマイクロスコープはきらら舎で販売している永久プレパラートペンダントのプレパラートを観察するためにオプションとして販売しているものです。さらに、このマイクロスコープのスコープ部分と照明部分とを分けて、スコープ部分にアームと台を付けてKentStudioがミニチュア顕微鏡に仕立てました。

     

    参加されていたお客さまは、渡されたウミホタル壜をそのままデジカメで撮影していました。

    マクロモードで撮影すると、そのままでもちゃんと撮影ができます。

     

    ウミホタル(乾燥)/きらら舎

    ウミホタル(乾燥)/きらら舎

     

     

    マイクロスコープ/きらら舎

    ウミホタル(乾燥)/きらら舎

    ウミホタル(乾燥)/きらら舎

     

    ウミホタルはエビやカニなどと同じ甲殻類です。

    学名:Vargula hilgendorfii (Müller, 1890)
    和名:ウミホタル
    英名:Sea-firefly

     

    全身は透明な2枚の背甲でおおわれています。写真の乾燥ウミホタルはその殻がカプセルみたいに見えます。

    マイクロスコープの写真をよく見ると、この2枚の殻の継ぎ目がわかります。2枚の殻は背中側で蝶番で接続された蓋のようになっていて、おなか側を自由に開閉させることができます。

    カラの中の体にはエビのような脚が7組と、トゲのあるシッポがあります。脚は、それぞれさまざまな形をしていて泳いだりエサを食べたりするのに使い分けられています。

     

    名前の由来は蛍のように発光するからです。ウミホタルは体内に発光物質(基質)ルシフェリンと酵素ルシフェラーゼを持っています。発光のしくみも蛍と同じなのですが、蛍の発光に関与する同名の発光物質ルシフェリンとは全く異なる物質なので、生物発光の研究では、区別するためにウミホタルルシフェリン(Vargula luciferin)と呼ばれます。

    ウミホタルが危険を感じたり、求愛のために体内のルシフェリンとルシフェラーゼを別々の器官から海水中に放出します。ルシフェリンはルシフェラーゼによって酸化され、酸化ルシフェラーゼになります。

     

    LH2+1/2H2O→L

     

    これに海水(水)が加わると熱を持たない光(冷光)を発します。

     

     

    (2)ウミホタルを乳鉢ですりつぶす

    乳鉢に少量のウミホタルを入れてすりつぶします。

    すりつぶしたものを一旦薬包紙にとり、試験管に入れます。

    これにスポイトで少量、水を加え、振ると発光します。

     

     

    (3)色液と酸化液による発光実験

    実は以前にカフェにて蛍光についてワークショップを行ったことがありましたが、シュウ酸エステルや過酸化水素水などを使ったマニアックすぎたので、今回はアポロの飛行士が宇宙での船外活動の際の光源にしたとも言われている液体の化学反応による発光を体験します。

    実験で使った溶液以外にご自宅でも楽しめるセットが付いています。

     

     

     

    (4)夜光虫の発光観察

    培養している夜光虫を観察します。

    ただし、夜光虫は毎日生活サイクルがあり、夜明けと共に明るさを感じることができ、夜は一定の時刻に暗くしなければなりません。培養している夜光虫は毎日10時に照明のない部屋に移動します。この部屋の窓のカーテンは閉めないので朝は自動的に明るくなりますが、できるだけ早めに南向きの窓の近くに移動させます。ただし25度以上になると死滅してしまうので、直射日光があたらない位置に置くことが必要です。

    ・・・・・という夜光虫なので、カフェのワークショップの日には夕刻にカフェに移動して、暗くしておきます。

    通常は暗くなってから1時間くらいすると発光するようになります。

    ただ、いつもより少し早い時刻なので、暗い所で振っても通常のように激しい発光はしません。

    それでも生きている夜光虫の発光を観察できるのは、多分ちょっと楽しいと思います。

     

    夜光虫/きらら舎

     

     

    次回開催時には、ウミホタルも生体の発光を観察できたらいいなあと思っております。

    開催については「理科室カフェのご案内」をご覧ください。

     


     

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