天氣後報 II

海月の観察会

2016.10.10 Monday 09:46
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    10/22・29(土)の理科室カフェは海月の観察です。

     

    クラゲといってもよくある、あのぷかぷかしているやつではありません。

     

    クラゲの一生について、少しだけ説明すると・・・・

    今回観察するミズクラゲは、オスが海中に出した精子をメスが体に取り込んで体内の卵を受精させます。
    卵が孵化してプラヌラと呼ばれるものになります。プラヌラは0.2mmくらいで鞭毛を使って海中を泳いで(漂って)、岩などに着陸してくっつきます。
    プラヌラは捕まえたクラゲから採取することもできます。容器に海水ごとクラゲを捕まえ、足の根本(口腕)を軽くこすって採ります。 捕まえたクラゲが雄だと意味がないので、数体、これをするといいです。肌が弱い方だと痒くなるので、手袋をするといいと思います。
    「雄は透けて見える生殖巣が白っぽく、雌は若干茶色がかっていることで識別できることもある。」と言われますが、なかなか難しいです。

     


    プラヌラは岩に定着すると、イソギンチャクのような姿に変身します。これはポリプ(スキフラ)と呼ばれます。触手は16本あって(※)、これで海中を漂っているプランクトンを捕まえて食べます。

    ポリプは分裂して増えることもあります。

    ※4本、8本、16本と増えます。個体によっては32本あるものもいるそうです。

     

    ミズクラゲのポリプは水温をきちんと管理すれば、ずっとその姿を保つのですが、水温を下げると体が伸びてくびれができます。この姿はストロビラと呼ばれます。くびれはどんどん増えていって、やがて花型のお椀を重ねたような形になります。そしてパフッパフッと拍動が始まります。

    パフッパフッ・・・・・あ、はずれた!  と、いう感じで、上から剥がれていきます。

    剥がれたくびれはエフィラと呼ばれます。きらら舎の海月ドームに雪の結晶の浮遊物を入れているのは、このエフィラ幼生をイメージしたものです。

    雪の結晶のほかにも歯車に例えられることもあります。アスタリスク * にも似ています。RPGに登場する石版に描かれた太陽のマークみたいでもあります。

    相違点はミズケラゲの基本は八角形というところでしょうか。

     

     

     

     

    10/22(土)

    スキフラとストロビラの観察をしスキフラに餌をやったりしようかと思っていたのですが、ストロビレーションが思った 以上にすすみ、触手の退化が始まっていたので、参加費用無料の地味な観察会となりました。

    育成ご希望の方は1名だけでしたので、容器を1つそのまま差し上げました。

     

     

    10/24(月)

    エフィラになるにはあと1週間くらいかかり、ちょうど29日(土)あたりにそれが観られるかなと思っていましたが、早いものはエフィラになりはじめました。

    まずストロビラのくびれがはっきりしてきて触手は退化し、やがて拍動を始めます。

    気長に観察していると、上のくびれから分離してエフィラとして飛び立っていきます。

     

    クラゲ/きらら舎

    クラゲ/きらら舎

     

    このエフィラが大きくなってクラゲとなります。

    細かくいうと成体のミズクラゲの前の小さなものをメタフィラと呼ぶこともあります。

    条件によってプラヌラからエフィラになったり、エフィラを出した後もポリプに戻り、根本から新しい触手が伸び(ストロビラになると触手がなくなります)、ここで給仕をするとポリプ飼育に戻ります。

     

     

     

    10/26(水)

    クラゲのエフィラ/きらら舎

    クラゲのエフィラ/きらら舎

    クラゲのエフィラ/きらら舎

     

     

    29日(土)

    クラゲ観察会をします。

     

    参加費用 ¥500

    観るだけなのに申し訳ありません。

     

    希望者には生体をお分けします。

    生体だけであれば無料です。円形の蓋が閉まる容器をお持ちください(本体が透明なほうが観察がしやすいです)。

     

    基本的には当面、何も用意しなくてもいいように海水やえさ付きをご用意します(観察会の前の木曜日中にご連絡ください)。

    ¥2000(エフィラ10体、育成容器2つ、ブラインシュリンプ卵、ブラインシュリンプ孵化用容器、海水の素、スポイト2つ)

     

    お持ち帰り後は1日くらいはそのまま、日光があたらない涼しい場所に安置してください。

    できればエアレーションがあったほうがいい(※)ですが、慌てて水槽などを用意する必要はありません。

    ※わかっていないで行うとかえってエフィラを傷つけてしまいます。

     

    まずは海水を作ります。

    500mlのペットボトルに海水の素を1袋入れてよく振ります。

    カルキ抜き付きの海水の素をなので水道の水でも大丈夫です。

    素が完全に溶けるまで何度か振ります。1日くらいはそのままにしておいてください。

    可能であれば別途比重計をご用意ください。比重計で海水適性の範囲であるかを確認します。

     

    次に餌となるブラインシュリンプを孵化させます。

    小さな容器に熱湯をいれて滅菌し(熱湯は捨てます)ここに海水を半分くらいいれて蓋をし、冷めるまで放置します。

    水温28℃が適温なので少し温かくても大丈夫(今の季節なら逆に少し温かいほうがいいかもしれません)。

    ここにブラインシュリンプの卵をコンビニコーヒーのスプーンすりきり1/3くらいいれます。

    夏季では24時間くらいで孵化しますが、気温が低い場合は2〜3日かかります。

     

    そしてエフィラ引っ越し用容器の準簿をします。

    空の容器に残った海水をエフィラのいる容器と同じくらい入れておきます。

     

     

    24時間くらいで小さなエビになります(夏はもっと早く、冬だと3日くらいかかります)。

    今回は予め孵化させたものも差し上げました。

    容器は小さな四角いものです。できるだけ揺らさないようにふたを開けて黒い紙の上に置き、ルーペでよく見ると明るい方向の隅っこに集まっていることがわかります。

    これをピペット(スポイト)で吸い上げてエフィラに与えます。

    本格的にきちんと飼育をしている方は水洗いして濃してから与えるそうですが、なかなか大変なので、

    できるだけ海水を吸わないようにしてブラインシュリンプを吸いエフィラに与えます。

    また、卵や殻もできるだけ吸わないように注意します。

     

    給餌のコツは・・・

    孵化用容器とエフィラ容器を横に並べて、エフィラ容器でブラインシュリンプが集まっていなかった方の隅っこにできるだけ衝撃を与えないようにエビを投入します。

    そして、スポイトの先を水中に入れて少しだけ水流を作って沈んでいるエフィラを舞わせます。

    エビは泳いで容器の片方に集まってきます。

    つまり、「集まっていなかった方の隅っこ」から明るい隅っこへ移動するわけです。

    移動距離が長い分、エフィラに遭遇する確率が高いという作戦。

     

    1エフィラに1〜2匹・・・・・とはいっても、食べるのが上手な子は数匹食べますが、エビにつつかれてビビッて(?)逃げちゃう残念な子もいて、なかなか均等に与えるのは難しいです。

    大人の海月であれば口に向かって給餌するのですが、エフィラに向かって至近距離からエビを放出すると、その勢いでエフィラはちじこまったり、飛んでしまったりします。

     

    全体的に捕獲は実にへたっぴです。じっくり観察しながら気長に給餌してください。

    上手く捕まえることができると、「パー」だった形が「グー」になって食べます。

    カフェではシャーレで観察し、給餌などもシャーレのほうが見やすいです。

    エサもシャーレのほうが水位が低い(ブラインシュリンプの行動範囲が狭い)ため捕獲確率があがります。

    ただ、飼育してみると大き目で水深が深い壜にいるエフィラのほうが元気なので今回は深さのる容器をご用意しています。

    給餌の時だけ水を減らす作戦など工夫してみてください(水と一緒にエフィラを捨てちゃわないように!)。

     

     

    餌をやったら3時間くらい後に、空(海水だけ入っている)容器にエフィラを移します。

    スポイトでエフィラを吸い上げて移します。この時に海水をできるだけ吸わないように。1匹づつ移動してください。

    もとの容器は一旦流水で洗って、さきほど作った海水を入れておきます。

    2〜3日に1度、この作業をします。

     

    ブラインシュリンプの孵化は適当な塩水でもOKなのですが、飼育海水と同じもので孵化させたエビは長生きです。さらにエビと一緒に海水も入れちゃうので、同じ海水で孵化させてください。

     

    ブラインシュリンプは数日は生きていますが、孵化したばかりのものほうがよいようですので定期的に別の容器で卵をセットしておくといいです。

    わたしはペットボトルで孵化させて、それを四角い容器に移しています。

    卵は沈んでいて殻は浮いているので、そっと容器に適量移すと孵化していない卵はあまり混入しません。

    しばらく置いておくと空は水面に浮いて、エビは隅っこに集まっているので、浮いた殻を少しすくってすててからエビを吸います。

     

    食べ損なっていてもあまり餌を与え過ぎないほうがいいようです。

    わたしはクラゲだけじゃなく、猫にも犬にもご飯あげすぎる傾向があるのでダメかも。

     

    海月/きらら舎

    海月/きらら舎

    エビが集まる方向の隅。

    ご飯タイム!!

     

     

    海月/きらら舎

    さてエフィラの形や動きを観察してみましょう。

    パーになった正面からみると真ん中に丸い点があります。

    横からみるとそこは傘の柄のように突起しています。

    突起と反対側に反り返って・・・・・パフッと突起のある方を内側にして縮こまります。

    驚かすと縮こまってちいさな団子になります。

    しばらくするとそろりそろりとパーに戻ります。

     

     

    エフィラは通常は1週間ほどでメテフィラになり、やがて小さなミズクラゲになります。

    ただ、クラゲの時間は人間とは違うようで餌をあまり食べられなかったクラゲの時間はゆっくり流れるのでメテフィラになるまでに3週間かかることもあります。

     

    当面はお渡しした容器で換えますが少し大き目なワイングラスやブランデーグラス(底が丸いやつ)があればそれを使ってください。グラスだと水分が蒸発して塩分濃度が変わり易いので、ゆるい蓋をしておくといいです。しかし蓋をした場合は水面から蓋までの空気がある程度あるくらいにします。

     

     

    クラゲのサイズが100円玉を超えてきたら、そろそろ飼育用のクラゲ水槽を用意してください。

    水温は同じ場所に置いておけばほぼ一定になりますが、塩分量が異なっている場合がありますので、できれば比重計を用意されるほうが安心です。

    500円玉サイズになる直前くらいに水槽に移します。

     

    クラゲは泳ぐのが下手なので水流が必要です。エアレーションにも気をつけないと吸い込まれたり、泡がカサの中に入って死んでしまいます。専用水槽はいいものがいろいろありますが結構高価なので、まずは以下の水槽がお勧め。

     

     

    カミハタ くるくるクラゲ水槽

     

     

     

    クラゲの寿命は半年から1年です。

    死ぬと水に帰ります。

     

    クラゲがいなくなった水槽をそのままにしておくとある日ポリプが発生するかもしれませんが、基本的にこうやって同じ水槽で飼うことになった個体は同一の細胞から発生したものなので、有性生殖には適していないような気がするので、わたしはこの水槽は一旦終了します。

     

    海月/きらら舎

    この写真はストロビラですが、右のほうに触手を伸ばした白いものがありますね。これがポリプ(スキフラ)。

    左のほうは花型のお椀が重なったようになっています。これが拍動が始まって数匹エフィラを排出したストロビラ。

    まだエフィラが残っています。

    エフィラをすべて排出してしまうと、白い塊が残ります。

    これからまた触手が生えて右にいるやつのような形になります。

    そうしたら、また地道に給餌をして換水をして飼い続けると、小さな白い粒が大きくなったり数を増やしたりします。

     

    そんなポリプ飼いに飽きた頃には、またストロビラ化させてエフィラを発生させるのです。

     

     

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