天氣後報 II

ムシロガイとタマクラゲ

2018.04.24 Tuesday 11:46
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    タマクラゲ(学名: Cytaeis uchidae Rees)は、ヒドロ虫綱花水母目に属するクラゲの一種です。

    直径わずか1.5mmほどの小さな丸いクラゲです。

     

    ヒドロ虫綱はポリプが細い糸みたいな種類。

    細い糸みたいなものはストロンと呼ばれる、植物ならば地下茎みたいな感じです。
    ストロンからポリプが出ます。別にクラゲ芽と呼ばれるポリプとは違うものが出て、そこにクラゲがちょうど実がなるみたいに出現し、やがて拍動を始めて遊離します。

    タマクラゲのポリプはムシロガイ(学名: Nassarius ivescens)の殻の上に付着します。

    生きたムシロガイ以外でポリプを飼育することにはいまだ誰も成功していないという不思議な共生です。

    付着している貝が死ぬとポリプはクラゲを放出して死ぬそうです。

    こりゃあ、飼育は難しそうだと思っていたのですが、

     

    「ポリプが付着している貝が死んでも、同じ水槽に生きたムシロガイがいれば、ポリプは生存し続けられる。」

     

    生きたムシロガイが分泌する何らかの物質によってタマクラゲのポリプは死んだ貝殻の上にあっても生きていけるということらしいのです。

    まあ、クラゲが出ても生まれたてだと1mm程度なので、気づけるかどうかも不明で、飼育する愉しみは少ないかもしれませんが。それでも飼育してみたかったのには気になっていることがあったためです。

    それは

    「生体内に緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein; GFP)様の物質を持ち、青色光を照射すると緑色の蛍光を発する。」という研究報告があるのです。

    ポリプ、クラゲ芽、成体に GFP様の物質が局在するらしい。

    これを見てみたいのです。

     

     

    そこで、まずは複数のムシロガイを小さな水槽に入れてみました。

     

     

    ムシロガイとタマクラゲポリプ/きらら舎

    通常は砂に潜っています。

    たまに水管だけが砂の上ににゅっと出ていたりします。

     

     

    ムシロガイとタマクラゲポリプ/きらら舎

     

     

    誰もいないように見える水槽に、賞味期限切れの釜揚シラスを入れてみました。

    あっという間に砂から出てきて喰らい付きます。

     

    ウミホタルもそんな感じです。
    何にもいないように見える水槽に餌を入れると、砂の中からわらわらとウミホタルが出てきて餌に群がります。
    匂いがわかるのでしょう。

    ムシロガイが産卵し、ベリジャー幼生の出現期にタマクラゲ成体も産卵します。

    受精卵からプラヌラとなって海中に飛び出した時に、運よく、ムシロガイの稚貝と出会って共生が始まれば一安心というわけです。

     

    ムシロガイとタマクラゲポリプ/きらら舎

    貝殻の表面の毛みたいなものがポリプです。

     

    ポリプにブラインシュリンプを与える時は、ムシロガイの食事タイムに合わせなければなりません。なぜなら、普段は砂の中なので、ムシロガイが出てこないとポリプも餌にありつけないのです。

     

    ムシロガイとタマクラゲポリプ/きらら舎

     

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