天氣後報 II

蛍石の八面体劈開割/鉱物レシピ060

2015.04.17 Friday 08:34
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    本の中では「蛍石の割りかた」というタイトルとなっています。
    目次に突然「劈開」という単語が登場してもわかりづらいかなと思ったためです。

    「劈開」とは鉱物の割れやすさです。
    鉱物には一定の方向に割れやすいという性質があります(もちろん水晶などのように劈開を持たない鉱物も存在します)。
    市場に流通している八面体をした蛍石のほとんどはこの性質を利用して八面体に割ったものです。

    ならば、自分でもやってみよう!ということでカフェのワークショップでも時々「蛍石の八面体劈開ワークショップ」を行っています。
    ワークショップは
    (1)塊から割り出す
    (2)八面体からさらに小さな八面体を作りだす
    (3)チップから割り出す

    の3種類。

    (1)では中国産の蛍石を使用しています。
    理由は流通量が多いこと、比較的安価なこと、八面体に割れる劈開を持っていること、がその理由。
    もちろん、中国産の塊でも状態によっては気軽に割れる価格ではありませんが、すでに欠片状態となっているものを見つけたらチャレンジしてみるといいと思います。
    (2)は(1)よりも簡単で、八面体という形を体感するのに最適です。いびつな八面体を入手した際などにはその整形をしてみるのも楽しいです。
    (3)が最近のカフェで行っているものです。
    使用するものはイリノイ州産のチップです。

    イリノイ州の蛍石鉱山は1995年の秋にすべて閉山しました。それから価格が高騰し、流通量も激減したのですが、2年ほど前からまた流通し始めて、最近では価格も安定しています(1年前から比べると少しだけ上がっていますが、それでも20年前の価格とほぼ同じです)。
    さらに、最近ではチップの状態でも販売され始めているのです。
    そうはいっても量は多くなく、カフェでのワークショップはチップが入手できた時という条件付きになっています。

    イリノイ州産のチップが最適な理由は劈開がとても素直なことです。
    もともとそういう性質だったから、劈開職人が生まれたのだと思いますが。
    とにかく、劈開の方向さえ見極めれば、ほとんど力を入れなくても蛍石のほうからパカッと割れてくれます。そしてその断面(劈開面といいます)はとても平らできれいです。
    チップというはその昔、イリノイ州にまだ劈開職人がいた頃、大きな八面体を割った残りです。

    蛍石の八面体劈開割/鉱物レシピ060

    左上の大きな八面体は今回の本の表紙にも登場したものです。
    表紙写真の真ん中にどどん!とあるものがそれ。
    印刷の関係でやや翠がかっていますが(色校正ではこのままにしました)。

    隣にある壜や標本箱と比較するとそのサイズがわかるかと思います。

    『鉱物レシピ 結晶づくりと遊びかた』


    こういう蛍石を割りだした欠片なので、つまりは八面体に割りやすいのです。

    蛍石の八面体劈開割/鉱物レシピ060

    こんなイメージでしょうか。
    同じような色のチップがあったので乗せてみましたw

    蛍石の八面体劈開割/鉱物レシピ060

    チップの中ではすでに、劈開の向きのお手本みたいなものもあります。

    蛍石ならば、どれでも割れるかといえばそんなこともなく、そんなことも含めて本で説明をしました。

    今回、なんと、チップの写真が蛍石図鑑(023P)部分の見出し写真に採用されました。
    『鉱物レシピ』に掲載された鉱物の写真は、はじめてミネラルショーに行った時に買ってみようと思える金額だったり、気軽にDIYに使えるようなものが多いのです。
    だからといって、蛍石の図鑑部分のいわば表紙なのに、チップの写真が採用されていいのかなあ・・・・でも、本自体の趣旨がわかってもらえるかな・・・・なんて考え、さらにその写真がとてもきれいでにやにやしました(さらに鉱物手帖の表紙ページも劈開片です。劈開片は本来の鉱物結晶の形ではないのに!です ww )。
    チップの写真は現在AMAZONのページに追加された10枚の写真の中の6番目です。
    http://www.amazon.co.jp/dp/4766127935







     
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