天氣後報 II

ポップコーンロック/きらら舎実験室

2015.05.08 Friday 19:08
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    ポップコーンロック観察日記


    ポップコーンロック。
    本当は鉱物レシピにも掲載しようかなと思いながらも、入手しづらいのと、途中があまり美しくないので、出版社担当者の方には提案しなかった実験です。

    自分でも実験してみたい!という方は     >>注文・詳細


    ポップコーンロック・・・・・

    ポップコーンロック/きらら舎実験室


    道端に落ちているような石(というより砕かれた岩)から、ポップコーンに似た美しい石の花が咲くというもの。
    アメリカで売り出された理科教材です。
    一番ポピュラーなものに添えられている解説では、

    Popcornrockは、米国西部のグレートベースンの限られた露頭で見つかった天然に存在する鉱物です。
    その驚くべき性質は1981年にユタ州の地質学者Richaed D.Barnersによって発見されました。


    と、説明されています。



    2015年5月8日

    まずは、ボウルか壜にこの石を入れます。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室


    メイソンジャーもどきの硝子壜があったので、それに入れてみました。

    そして、これにホワイトビネガーを入れます。

    キッチンには酢が何種類もあるのですが、透明ではないので、化学式も明確な酢酸を購入して注いでみました。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    注いだ途端に、石が発泡し始めました。



    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    細かい気泡がぶくぶくと・・・・・


    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    上からのぞいても、石から激しく放出される泡で白濁して見えます。
    そして時々、石の底面から出た気泡がまとまって、ぶく!と大きな気泡になって浮かんできます。


    その後、数日経つと泡もおさまり、酢酸は黒く濁って、どうみても汚いモノが入っている壜にしか見えません。
    ここは汚いので、写真は省略します。



    そして8日目。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室


    なんだか白いものが発生していました。
    ちょうどドールショウや本の発送でばたばたしていて気づかなかったのですが、3日前にはなかったはずです。


    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    まだ、酢酸が残っているので、これはこのまま放置。
    酢酸が消失したら完成となります。

    完成したら、写真を追加します。
    (できたことはできたのですが美しくないので破棄しました。これについては5/14の観察日記をご参照ください。失敗と改良についても記載しています。)

    実はこの石。
    苦灰石です。仕入れ元のアメリカ鉱物業者のラベルはDolomiteとなっていました。
    鉱物としては炭酸塩鉱物で、化学式はCaMg(CO3)2
    結晶系は三方晶系です。

    鉱物標本では母岩として白いものをよくみかけるかと思います。
    苦灰石の標本もきれいなものも多くあります。酸化鉄を含んでピンク色に色づいたものは和菓子みたいです。

    しかし
    これは苦灰石というより苦灰岩とよぶべきものだと思われます。
    つまり、主な成分は苦灰石である岩石です。
    でも、苦灰石として解説を進めることにします。


    成分を確認しましょう。
    カルシウムとマグネシウム、そして炭酸。
    余談ですが「苦」という漢字が付けられた鉱物はマグネシウムを含みます。


    ここに酢酸を注いだわけです。
    酢酸の化学式は示性式がCH3COOH、分子式はC2H4O2

    化学の授業では、この2つの成分から発生した気体と出現した白い物体を推測してみましょう・・・・・ということになるのですがメンドクサイことは省略します。

    苦灰石について考えます。

    もともと、苦灰石の割れ目や空洞で、炭酸カルシウムが結晶化しやすく、方解石や霰石の結晶の多くはそんなところで見つかります。このポップコーンフラワーも霰石です。
    ホワイトビネガーによって苦灰石が溶かされ、炭酸カルシウムが再結晶したと推測できます


    とりあえず、数日後、完成したものを期待して・・・・
    明日のカフェではこっそりと展示しておきます。
     

    第2弾! 2015年5月9日

    ポップコーンロックの販売を開始することにしました。
    その前に、「酢」について質問が来ると思われるので一般的な穀物酢でも実験してみることにしました。
    条件を同じにするために同じ容器(グラス)を用意しました。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    穀物酢

    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    一応、酢酸でも




    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    穀物酢でも発泡しています。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    酢酸のほうが気泡が細かいような気がするのですが、量の問題なのかもしれません。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    こちらは翌朝。
    激しい発泡は両方ともおさまっていますが、よくみると、少しづつ反応は進んでいるようで小さな気泡が絶えず放出されていました。

     


    第2弾! 2015年5月12日

    昨日、酢酸を入れたほうの水面とグラスの接触面に白いものが付着し始めていましたが、1日でこんなになりました。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室


    左は穀物酢を入れたものです。
    何も発生していません。
     

    第3弾! 2015年5月13日

    酢酸とよく似た名称の酸味料に「氷酢酸」というものがあります。
    酢酸90%以上というものなので、つまりは酢酸なんだろうと思っていました。
    今回はカフェで実験していたので、氷酢酸は使用しませんでした(酢臭が激しい)。
    でも、違いがあるかなと、建物内室外で実験してみることにしました。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    が。
    臭いばかりで、発泡しません。

    ところで。
    そういえば、ラベルにはPopcornRock(Dolomite)と書かれていましたが、マグネシウムを多く含む石灰石というべきものかもしれません。マグネシウムを多く含む石灰石に酢酸を反応させて得たものはCMAと呼ばれる凍結防止剤です。物質名は酢酸カルシウムマグネシウム。
    ただ、この実験で再結晶するものはアラゴナイトらしいのですが。

    とりあえず、どんな結晶ができるか、もう少し観察が必要そうです。

    酢酸のグラスをもう少し増やしてみることにします。
     


    2015年5月14日

    氷酢酸は結局、変化は起こっていません。
    また、一昨日実験を開始した穀物酢と酢酸。
    穀物酢には全く何の変化も起こっておらず、酢酸のほうはかなり白いものが発生していました。
    しかし、最初に白い物が発生したのが、水面とグラスの接触部分だったので、なんだかあまりきれいではありません。
    4月末に壜にセットしたものと同じ状況になり、美しくないので破棄することにしました。

    それで、昨日、「酢酸のグラスをもう少し増やしてみることにします」と宣言したとおり、夕刻にグラスを1つ追加しました。
    アメリカの説明書きには「石が隠れる量のホワイトビネガーを注ぐ」と書かれていたのですが、あえて、酢酸の量を減らしてみました。石には上から注いで、一応、全体に酢酸がかかっている状態です。
    これが大成功!!

    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    石は半分だけ酢酸に浸かっています。
    しかし、石の上部に白いものが発生していました。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    近づいてよく見ると、正に霰石の結晶の形をしています。
    きれい!!!

    たった16時間ほどでこんな状態になりました。

    気をよくして、穀物酢のグラスはとっとと諦め、新たに酢酸でセットしました。

    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    今度は薄っぺらい形をしたものを斜めに入れて、上から酢酸を注ぎました。

    明日が愉しみです。

    ご自分で実験するために、ご購入された方は、この方法で試してみてください。
    容器は深めのお皿でも大丈夫そうです。
    使用する「酢」は酢酸を使用。氷酢酸はだめです。

    カフェにてポップコーンロックをご購入いただいた方には酢酸もお分けしますので、容器(硝子壜)をご持参ください。
     


    2015年5月15日

    一昨日セットしたグラス、3日目(実際は2日と半分くらい)。
    ポップコーンロック/きらら舎実験室


    昨日より、少し成長したようです。
    スパークみたいな形だったものが、だんだん丸い塊になってきています。


    昨日セットしたグラス。
    ポップコーンロック/きらら舎実験室

    一部分だけ剥げているのが面白いです。
    酢酸は全体にかけているので、ここだけ結晶が発生しないのには、何か理由があるのかもしれません。
     

    2015年7月26日

    真夏。すっかり忘れていたグラスから結晶が育っていました。
    酢酸は蒸発してしまっているものの、乗せておいた板をはずすと強烈な臭いが。

    ポップコーンロック/きらら舎

    とても硬くてどんなハンマーでも鏨でも割れなかったポップコーンロックは消し炭のようにサクサクになっていました。
    氷酢酸恐るべし!です。
     

    2015年7月27日
    そんなわけで、ポップコーンロック。一番大切な実験をしていないことに気づきました。
    一番最初、アメリカ教材の説明で「ホワイトビネガー」と書いてありました。ホワイトビネガーといえば、ハインツがすぐに思い浮かんだのですが、さらに解説書には「蒸留酢」と書かれていたので、ハインツのホワイトビネガーは採用していなかったのです。
    でも、「やっぱりホワイトビネガーっていえば、アメリカでもハインツなんじゃないだろうか。」という考えはずっとありました。
    そこで、試してみることにしました。

    ポップコーンロック/きらら舎

    ただし、これは蒸留酢ではなく、醸造酢です。

    ポップコーンロック/きらら舎


    でも、まあ、やってみます。

    ポップコーンロック/きらら舎

    ポップコーンロックの上から、石の半分が浸るくらいのビネガーを注ぎました。
    酢酸の時のような強い発泡はありません。

    ポップコーンロック/きらら舎


    お!
    翌日、小さな白い結晶が生まれていました。

    ポップコーンロック/きらら舎

     
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    コメント

    夏休み中に、ポップコーンロックを購入し、息子とチャレンジいたしました。
    二つのうちの、一つはホワイトビネガーで実験し、白い結晶をつけることに成功しました。
    もうひとつは、息子の強い希望で赤い結晶ができるかもしれないから、とワインビネガーにしました。結果、赤というより薄い茶色の結晶ができました。

    そこで、さらに小学4年生の息子の疑問がわいてきました。
    「じゃあ、よく結晶ができるという酢酸にインクや食紅で色をつけたら、青や紫、緑の結晶ができるのだろうか?」ということです。

    う〜ん、私にはわかりません…。

    おひとり様、二つのみ購入ということで、すでに我が家は二つ購入済みです。
    今度は息子の分、ということで、もう二つ…せめて一つ、購入をお願いできませんでしょうか?

    色つき酢酸にチャレンジしたいので…。

    よろしくお願いいたします。


    | 石田勝美 | 2017/09/15 2:25 PM |

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