天氣後報 II

きらら葉 39

2013.09.16 Monday 12:32
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    きらら葉39号表紙

    きらら葉39

    #20 博物学趣味
     永い時間を経て飴色になった棚にずらりと並べられた生薬の壜。
     標本箱に収められた鉱物、化石、貝殻、虫・・・・・。
     紙魚が浮き出たノートに貼られた植物標本・・・・・。
     理由なく好きで惹かれるモノたちです。所有する空間の物理的理由から、できるだけモノは持たないようにと、増殖率の高い書籍は特に悩んで取捨選択しています。その結果、残った本には図鑑や博物学に関するものが多く、しかもずいぶんと昔に著されたものばかりとなってきました。最近では、本そのものが古いものだけが持つあの独特な雰囲気を纏い、化石や鉱物や古物雑貨たちと一緒に、すでに標本棚化した書棚に並んでいます。
     結果的に好きなものだけが蒐まった空間を眺めていると、博物学という単語に凝縮されていきます。それで今年は「博物学」をさらに意識しながら、活動をしてみることにして半分が過ぎました。その中で、ルーチカとして「ルーチカ図鑑」の第一号「鉱物 I 」が完成しました。図鑑といっても世の中には素晴らしい図鑑はたくさんありますので、わたしたちが目指したのは、古い博物学の図鑑のイメージを持った小冊子です。本質としては、好きなテーマについて、スケッチをしたり、データを記入したり、思いや妄想を書き連ねたノートです。実際に所有してる、ささやかな鉱物標本をまずは撮影し、TOKOさんが線画を描き、図鑑や古い鉱物の本のデータをもとに、取引のある鉱物業者さんやミネラルショーで知り合った外国の鉱物商の人たちの話を、自分の興味がある部分だけ検証しながらまとめました。今号のきらら葉の表紙の写真も、参考にした本の一冊です。
     下半期には、「鉱物 II 」の制作とともに、博物学的雑貨・・・スタンプやラベル、標本箱や、プレパラートなどを作る予定です。ただし、古いキノコ図鑑の横に『玩草亭百花譜』があり、ウミウチワ、グリーンスプートニック(ウニ)、その横に『鼻歩類』や『平行植物』、そして光るキノコのオブジェ壜、『鉱物学本論』、水晶・・・・・こんな中から生まれるアイテムたちなので、かなり偏ったものになるのは避けられそうもありません。
                                             2013.07.27  SAYA

    きらら葉39

    深海万華鏡・アラベスク万華鏡

    透過性のある鉱物は、標本箱に入れて眺めるだけでなく、光に翳すと美しさが一際増します。それで、真鍮製のミニチュア万華鏡「木枯らしのエチュード」を作った時に、藍方石を入れてみました。2mmほどの結晶でも数百円。店によっては千円を超え、サファイアよりも高価と言われる鉱物です。藍方石の粒は小さいのですが、万華鏡本体も小さいので、十分にきれいな像を作ります。
    さらにレンズで拡大しながら、光に翳すので、鮮やかな藍方石の結晶はさらに青く輝きます。これに、やはり青色の燐灰石を加えてみました。机の上では青色に見えた燐灰石が万華鏡の中ではやや翠がかってみえました。深い緑色の橄欖石は黄色いシャルトリューズのような色になりました。これに時計部品を加えたところ、冬木立のシルエットのようだったので、木枯らしのエチュードと名付けました。
    木枯らしのエチュードは小さいため鏡の調整がとても大変で、さらに表面反射鏡を使っていることも加わって、なかなか製作が進んでいないため、今回、沖縄の万華鏡屋さんに手伝ってもらって深海万華鏡とアラベスク万華鏡の製作を開始しました。
     チェンバーが透明で、底が金属なので、逆光になりません。木枯らしのエチュードのようなシルエット感は少ないのですが、貝殻や歯車を入れた際に、そのディテールまではっきりと見ることができます。さらにのぞきながらブラックライトを照射することもできます。
    そのままチェンバーを手で覆えば、蓄光も楽しめます。ミラーは五角形となるような角度で組み立てているので、2ミラーは海月や海星のような像となり、3ミラーではプラネタリウムを観ているような図になります。2ミラーのほうは深海の生物みたいだったので、深海万華鏡と名付けました。3ミラーのほうは宇宙万華鏡としようと思ったのですが、先に別の宇宙万華鏡キットをセットしていたので、アラベスク万華鏡と名付けました。2つの万華鏡は、カフェのワークショップで作ったり、カスタマイズをしたりもできます。オブジェクトの入替ができるので、オブジェクトだけの販売も予定しています。いろいろお愉しみいただければ幸いです。

    現在、この2種類の万華鏡は、カフェのワークショップ(※)やオーダーでご購入が可能です。
    オブジェクトの販売はタイトルを付けながらきらら舎にて販売しています。
    また、特別なオブジェクトを贅沢に使った一点モノを、完成品の万華鏡として製作しています。

    きらら葉39

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    きらら舎アイテムの中の 鉱物・植物・動物

    「鉱物」

     18世紀の博物学者、カール・フォン・リンネ(Carl von Linné)は、自然物をまずは王国を意味する「regnum」を用いて「植物」「動物」「鉱物」の3つに分類しました。「regnum」は後に「界」と訳され、「植物界」「動物界」「鉱物界」は「リンネの3界」と呼ばれています。
    その定義は「鉱物は生長する」「植物は生長し、かつ生きている」「動物は成長し、かつ、生きていて、さらに感知する」というものでした。

     もともと人工の美しいものや加工された宝石よりも、自然に存在する造形・・・それは貝殻であったり鳥の羽根であったり木の実だったり・・・・に惹かれる子供でした。そして気づけば、抽斗の中にはそんなものばかりが詰め込まれていました。
     中でも鉱物はひんやりとした安心感と、美しい色や様々な形が見た目を愉しませてくれるので大好きでした。結果的には、より多くの種類を蒐集するとか、高価な標本を所有するというより、子供の頃の「好き」の基準のまま、気に入った標本を標本箱に並べたり、オブジェに仕立てたり、身に着けられるように加工をしたりするようになりました。個人的には「雑貨的に愉しむ」「工作的に遊ぶ」「理科的に識る」と称していますが、やはり基本的にはラベルと共にちんまりした小さな標本が標本箱に並んでいる様子が一番好きです。
     現在、カフェで実験や解説を含めた「鉱物倶楽部理科時間」のワークショップを開催し、鉱物手帖を製作しています。そして博物画で雑学を楽しんでいただけるよう、ルーチカで「ルーチカ図鑑博物図鑑 I 」を作りました。
     きらら舎アイテムとしては、自分がいいなあと思う標本や、それをいろいろアレンジしたり加工したりしたものに加え、古い壜、箱、ラベル・・・・・そんなものを丁寧に用意して、とっておきな鉱物標本を作る提案をしたり鉱物スタンプを作ったり、ささやかなコレクションですが、ポストカードに残したりしてみたいと思います。

    「植物」

     子供の頃、わたしには植物に関するカレンダーがありました。
    まずは3月、飼っていた小鳥のために、毎朝ハコベ採りの散歩が始まります。半ば過ぎには土手に土筆を採りにでかけます。うっかり行き遅れると、大半が杉菜に成長してしまっているので、3月に入ると土筆採りの日をそわそわと考え始めるのでした。一緒にレンゲの花も摘むことができ、定番なティアラを編んだりしました。ティアラは乾燥 させると、そのままドアの飾りにできました。
     その他にも、種まき、押し花づくり、実と種の収穫など、植物カレンダーには予定がびっしり詰まっていました。特に10月は忙しくお手製の「どんぐり地図」に書かれた場処を巡ります。拾ってきたどんぐりから虫がはい出すことが多いので「どんぐりの加工」はいろいろ試しました。冷凍したり、茹でたり、電子レンジで加熱したり、何重にもニスを塗ったり・・・・。結局そのまま放置しておき、虫喰いでなかったものだけを保存するという最も楽な方法に落ち着きましたが。
     こうして植物カレンダーで季節を送る子供が大人になって辿り着いた処は「標本」でした。押し花にした植物で作るものや、木の実や種。そして、自然の造形をさらに愉しむためにオブジェ化した標本が、増殖し、現在はその一部がきらら舎のアイテムとなっています。

    「動物」

     博物学としての動物は、剥製だったり骨格標本だったり、解剖図だったりする場合が多く、ちょっと苦手なので、きらら舎では、「鳥の羽根」「鳥の卵」「蝶の翅」「微生物」・・・・・などが、「博物学的雑貨/動物」カテゴリーのアイテムとなっています。しかし、翡翠の羽根を仕入れて、羽根ペンに加工する時にははやり少し心が痛みます。
     反面、骨の美しさには以前から少しだけ惹かれています。博物館に飾られた蝙蝠やカエル、ネズミの骨格標本は真っ白で、とても繊細で、模型として作ってみようと試みましたが、もちろん、なかなか困難でした。
    「魚くらいなら、本物の骨格標本を作れるかもしれない」と思いながら、吉村昭の『透明標本』のせいかもしれませんが、やはり、本物の骨格標本が部屋の中にあるのには抵抗を覚えます。それで、標本は卵と羽根。 模型では嘘の光る海月や実寸を無視した卵や蝶などを作っています。
     また、9月のドールショウより、プレパラートの販売を開始します。アンティーク雑貨の風合いを纏った古いプレパラートをイメージしています。

    プレパラートはドールサイズではないので、結局、豆本仕立てにしたり、オブジェ仕立てにしてデザインフェスタより販売することにしました。

    きらら葉39

    ルーチカ図鑑はきらら舎にて販売しています。  >>詳細・購入

    きらら葉39

    「氷晶石と南極石」

    暑い日が続くので、少し冷たい鉱物のネタです。
    冷たいといっても実際に比熱が少ないなどという話ではなく、氷晶石と南極石のお話です。両方ともルーチカ図鑑鉱物Iに掲載したハロゲン化鉱物に属する鉱物です。

     氷晶石については図鑑の雑学ページに説明を書いていますのでここでは省略しますが、屈折率が水とほぼ同じなので、透明度の高い標本を水に入れると見えなくなってしまうのだそうです。残念ながら今まで入手できた氷晶石はすべて白い不透明な石ころでした。それでもとりあえず水に沈めてみました。眺めていると、真っ白な石が少しだけ透明感を増したような気がしました(これはカフェに展示しておきます)。 それから、炎に翳してみました。真っ白な欠片から暖かなオレンジ色の炎が上がりました。さらに氷晶石は硫酸で溶 けるようなのですが、これは危険そうなのでやめておきました。

     そして南極石。 南極石は南極で発見された鉱物で、摂氏25度以上では液体になるため、小壜に入れて冷蔵庫で保管する必要が あります。普段の生活の中で液体の状態を見ることができる鉱物は、水銀と水(氷)と南極石の3つだけ・・・・・
    試しに25度以上になる環境においてみました。クーラーの効いた室内でしたが少しだけ溶けてきました。握っていたら、溶けかかった氷のように水みたいなものが増えてきました。
    炎天下においておいたら、まったく透明な液体になってしまいました。 でも、冷蔵庫に戻すと、もとの針状の結晶が生まれてきました。

    氷晶石詳細  >>氷晶石
    南極石詳細  >>南極石

    ※万華鏡のカフェワークショップはカフェのご予約と一緒に申込みが可能です。
    ワークショップといっても砂や貝殻などをお好みで詰めるだけなのですが・・・・・
    ただ、蛍光砂を贅沢に使ったり、色とりどりの沖縄硝子を組み合わせたり、ウラングラスを敷き詰めたり、貝殻で海辺の風景のようにしたり・・・・・と、お愉しみいただけますs。
    海月の製作や本体(スノードームキットを使用しています)の在庫によってはできない日もあります。
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    きらら葉とPapier de Kiraraのこと

    2013.09.16 Monday 11:47
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      Papier de Kirara

      Papie de Kirara は年に3回だけ発行しているタブロイド版の新聞です。
      イベント用の自己紹介やイベント予定などを掲載しています。

      パピエドキララ
      バックナンバーはきらら舎内 パピエドキララページに掲載ています。  >>Papier de Kirara


      きらら葉はフルカラーの小冊子です。
      2006年に製作を開始し、発行スパンやページ数などを多少変えながらもこれまでに39号を発行してきました。
      カフェの営業案内や、きらら舎の新商品などのご案内を綴っていましたが、2012年秋より、保存版となるような内容に変更し、自己紹介やお知らせ的な内容をタブロイド版の新聞『Papier de Kirara』にまとめることにしました。

      きらら葉は保存版といっても、バックナンバー的な配布はしていないので、 これまでの内容を抜粋して、少しづつ、このカテゴリーにまとめていく予定です。

      また、きらら葉、Papier de Kiraraは、きらら舎通販に同封するほか、カフェや外部イベントにて配布しています。

      きらら葉39号表紙

      ▲ きらら葉39号の表紙
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